こんにちは!

旬の食材、匠の食材を扱う「旬匠(しゅんたく)」の小林です。

私たち「旬匠」はお米や梅干し、また一本釣りウルメイワシといった希少な食材まで日本全国に眠っている、本当に美味しい旬の食材、匠の食材を扱っています。

今回は、和牛熟成肉に関して、詳しくご紹介していきます。


1.和牛熟成肉とは?


和牛熟成肉とは、ある程度の期間低温保存させることで

味の変化や、質感の変化を起こし、

肉を美味しくさせた和牛肉のことです。

少し難しい言葉になりますが、食肉は酵素の働きによって

保水性が向上し、アミノ酸やペプチドが増加することにより、

味や香りが格段に上がると言われています。

近年は熟成肉が流行しています。

これは和牛肉を柔らかく滑らかで、

さらに美味しくするテクニックとして、

米国より日本に持ち込まれて広まった、

「ドライエイジングビーフ」が火付け役となりました。

ただし、熟成肉に関する公式な概念というのは、

実はまだ日本にはありません。

熟成肉をつくる方法というものは主に、下記の4つの方法が挙げられます。

①ドライエイジング

②ウエットエイジング

③乳酸菌熟成

④枯らし熟成

各々の方法について見ていきます。


①ドライエイジング

これは、米国より広められました。

チルド状態を保つ冷蔵庫の中で、和牛肉に適度に風を循環させながら、乾燥熟成を取り入れた方法です。

食感の良い和牛肉を熟成し、柔らかく滑らかで、贅沢な香りの和牛肉に仕上げるテクニック法でもあります。

米国的な技法では、アンガス牛を使用した、霜降りの多いサーロイン等を熟成しますが、和牛肉の霜降りほどではないために、その仕上がりは、和牛肉とはまた異なるものとなっています。

和牛肉には、脂肪分も多く含まれているので、実はドライエイジングには適さないと言われることもありますが、和牛肉であっても、脂の少ない和牛肉や、経産牛には適しており、旨味が上がったり、柔らかくジューシーになったりといった効果があります。

②ウェットエイジング

これは本来、肉そのものの劣化防止のために使用された保存方法です。

数日間お肉を保存してみると、驚くほど肉質が良くなり、旨味も増加し、お肉自体も柔らかくなることから、ウエットエイジングと言われるようになりました。

しかし、このウエットエイジングは本来、保存することだけに重きを置いた方法なので、お肉の質は良くなり柔らかくもなりますが、ドライエイジングと比較すると、そこまで旨味が上がるということではありません。

また、お肉を腐らせてしまう可能性もあり、技術力も必要となる方法なので、扱いの難しい技法でもあります。

③乳酸菌熟成

これはヨーグルトやチーズ等の乳酸菌を付着させて、熟成させるといった方法です。

付着させた乳酸菌の影響でお肉の劣化が起きにくく、長期間保存可能といったメリットがあります。

使用するお肉の種類によって、味に変化があるというのも特徴です。


④枯らし熟成

実は見たり聞いたりしたことがある方も多いと思います。
こちらは、日本の伝統的な熟成方法で、和牛肉の枝肉を一定温度と湿度を保った冷蔵庫の中に入れて、4週間前後の保存を行う技法です。

日本では、枝肉のまま、ただ吊して冷蔵保存する方法ですが、この枯らす行為によって、適度に水分が抜け出すことで、お肉そのものに旨みが増加し、より芳醇な、熟成肉となります。

枯らし熟成は、1970年代頃までは、さまざまな小売店にて、取り入れられていた技法ですが、この「熟成」という言葉を使い始めたのは、実はここ数年のことです。

この枯らし熟成は、真空パックが流通し始めた現在では、需要も大幅に減少したことで、近年ではあまり取り入れられず稀な熟成法となっています。


2.熟成肉と普通肉との違い

熟成肉にとって大切なことは、微生物をコントロールしながらいかに上手く熟成させられるかということです。

熟成肉を生み出す本質的な目的は、「タンパク質が分解されることで、旨味のアミノ酸が生成させること」です。

ただ、熟成をさせることは、食材が劣化する事へも繋がります。

劣化というのは、「発酵」と比較されることもありますが、科学的観点から見ると、劣化と発酵の仕組みは同じです。

その中で、美味しいと感じるものを発酵とし、美味しいと感じないものを劣化と分類しているのです。

この発酵(劣化)は、微生物が発生しそこから、有機物を作り出しています。

作り出されたものが、私たちにとって美味しいと感じるのか、劣化(腐敗)と感じるかの違いが、劣化として扱われるか、発酵として価値あるものになるのかの分かれ道です。

お肉は、栄養が豊富で、微生物が安心して繁殖できる環境が整っているので、微生物による劣化(腐敗)のリスクは、どんな時でもあり得ます。

微生物が熟成肉に与える効果や影響に関しては、劣化を上手く操作して、熟成をさせることで、美味しいお肉にすることが重要です。

注意しなければいけないことは、熟成予定で微生物を増やした結果、腐らせてしまうというような事例です。

リスクを重ねながら発酵させた熟成という技法は、劣化と発酵との間で、骨の折れる作業でもありますが、日本文化が息づいていて、大変趣のある伝統技法であると言えます。


3.熟成肉の味は美味しい?


お肉を熟成すると、たんぱく質が自己消化を起こし、ペプチドに変化をすることで、ピラジンが発生します。

このピラジンが、加熱を行うことで、食欲を誘う香りを発生させますが、この香気が、「美味しい!」と感じさせる理由となっています。

ドライエイジング技法を取り入れたお肉が、香り良く、非常に美味しいと言われるのも、このピラジンの影響です。

熟成肉は、普通のお肉と比較すると、水分量が少ないので、その分旨味を強く感じられますが、焼くことで水分から放たれ、貴重な肉汁も、少なくなってしまう可能性があります。

もし熟成肉を焼く時には、できるだけ加熱する部分を少なくする工夫をすると、上手に美味しくなります。

例えば、肉のすべての面を焼かずに、余熱で加熱をする等の工夫です。

4.「旬匠」の熟成肉って

旬匠がお届けしている近江牛は、牧場から直接買付けした黒毛和牛の未経産のメス牛です。

旬匠の近江肉は、この記事で紹介した、ドライエージングや他の熟成方法で熟成してはいません。一頭一頭のお肉が最もおいしくなる最適な出荷タイミングまでじっくりと育成します。

通常の和牛の出荷タイミングよりも長く飼育して熟成させていきます。枝肉にしてから熟成するのではなく、飼育しながらお肉がおいしくなるまで待つのです。(その分、飼育のエサやコストが掛かります。)

これを生体熟成と言っています。

一頭一頭のストレスが少なくなるように広めのスペースで飼育しています。なので、牛たちの表情が心なしか穏やかに見えます。こうして育てられた最高の近江牛をお届けしています。

「旬匠」は、四季折々の旬の食材や、日本の伝統文化を大切にした、匠の食材をお届けしています。

旬匠は、国産素材や無添加食品にこだわり、美味しさを第一に考え、常に新鮮な食材を届けます。


この機会に、「旬匠」の食材を、楽しまれてみてください♪

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